毎日目にするベランダ。「あぁ、もっと日当たりが良かったら植物を育てて、オシャレなベランダになるのに。」とガッカリして、ベランダガーデニングを諦めていませんか?
園芸歴20年、園芸店勤務15年のグリーンアドバイザーの経験から
日陰のベランダでもおしゃれなシェードガーデンを楽しむコツをお伝えしたいと思います!
日陰のベランダでシェードガーデンを楽しむコツ:ベランダの日照時間を知ろう
日陰と一口に言っても、住んでいる地域、方角によってベランダの環境は千差万別ですよね。
植物の成長にとって、1日の日照時間によって花が咲かなくったり、葉の色が変わってしまったり、植物の成長に大きく影響するのが太陽の光。まずはご自宅のベランダの日照時間の特徴を把握しましょう。
半日陰のベランダとは
午前中、もしくは午後に、2~3時間ほどベランダに直射日光が入るベランダ。
又は、直射日光は入らないけれど、終日明るいベランダ。
ベランダの正面に高い建物や壁らないようなベランダです。
イメージは大きな木の下で木漏れ日程度の光が入るベランダです。
注意したいのは、半日陰のベランダの条件「2~3時間直射日光が入る」には当てはまる。
でも、入る日光は「午後2時以降」という場合。
冬の西日は問題ありませんが、夏場の西日は強烈ですよね。(人間にとってもキツイ)
半日陰のベランダで育つ植物は、直射日光が苦手な植物が多いので、あまりにもキツイ太陽光の場合、シェードをかけたり水切れを起こさないように気を付けると良いと思います。
日陰のベランダとは
1日中食者日光が当たらないベランダです。直射日光が1日い時間以下しか入らない。
または、ベランダのそばに高い建物、生垣、壁などがある。北側のベランダなどです。
イメージは深い森の中や常緑樹の下です。
日陰のベランダといえど、季節によって日陰、半日陰が変わることもあります。
わが家のベランダは軒が深いので、太陽が真上を通る夏の時期は直射日光が入りません。
逆に、太陽の軌道が低くなる冬は、長時間日光が入ります。
なので、年間を通してご自宅のベランダの光の入り具合を観察してみてくださいね。
「我が家は日陰だから・・・」と思っていたら、実は季節によっては、バラエティーに富んだ植物を育てられるかもしれません!
日陰のベランダでシェードガーデンを楽しむコツ:木を楽しむ
日陰のベランダでもおしゃれなシェードガーデンを楽しむコツとして、シンボルツリーを楽しむという方法があります。日陰なのに木をが育つの?木を植えるの?と思われるかもしれませんが、細々と色々な植物を育てるよりも、メインの木を1本シンボルとして育て、可愛がるのもありですよね。
日陰のベランダでもおしゃれなシェードガーデンを楽しむために、冬の時期に葉が落ちる(落葉樹)タイプの木もあるのですが、パラパラと葉が落ちるとベランダ掃除が大変なのを身をもって体験しているので、今回は冬でも葉が落ちない(常緑樹)タイプからおススメしています。
また、日陰のベランダでも育てやすい低木を中心に選んでいます。
半日陰のベランダにおススメの木
アセビ:濃く小さい葉が可愛らしい低木。スズランのような花を咲かせるのも魅力です。花色は白、ピンクがあります。葉に斑が入っている品種もあります。
クチナシ:初夏に白く甘い香りの花を咲かせます。一重の実が付くタイプのクチナシと、八重咲の実がつかないタイプのクチナシがあります。育てるのは簡単ですが、青虫がつきやすので、予防でオルトラン等の散布をお勧めします。
センリョウ:お正月の切り花に使われることが多いセンリョウ。縁起物として庭木としても人気のある木です。黄色い実がつくものもあり、赤い実、黄色い実をセットで育てるのも素敵です。病害虫がつきにくいのも魅力です。
日陰のベランダにおススメの木
アオキ:照りのある艶やかな葉が美しい木です。緑色の葉だけでなく、黄色い斑入りの品種もあります。さらには冬に赤いかわいい実をつけます。初心者さんにも育てやすい木です。
ヤツデ:天狗のウチワのような葉のヤツデ。やや大振りなので小さいベランダよりは、ややスペースがあるベランダにおススメです。和風なイメージのヤツデですが、斑入り品種を選ぶと個性的で
オシャレなシェードガーデンになること間違いなしです!
日陰のベランダでシェードガーデンを楽しむコツ:花を楽しむ
日陰のベランダでもおしゃれなシェードガーデンを楽しむために、お花を咲かせたい!というご相談も多数お受けしてきました。育てるならやっぱり花が咲いてくれたら華やかになります。
午前中2時間の日当たりがあれば、大抵の植物は育てられるのですが、その中でも特に日陰に強い花を選びましたので参考にしてみてください。
半日陰のベランダでおススメの花
アジサイ:落葉樹(冬季に葉が落ちる)タイプの木なので、掃除が気になるところですが、それを考慮しても日陰のベランダでもオシャレなシェードガーデンを楽しむために一押しの花です。育てやすい、花のバリエーションが多い、病害虫にも強いので、ぜひお気に入りを見つけてみてください。2~3時間日光があたったほうが、花付きは良くなります。
クリスマスローズ:冬の貴婦人と呼ばれるクリスマスローズ。見かけは貴婦人ですが、とても丈夫で育てやすい花です。コレクション魂をくすぐる花色、形のバリエーションの豊富さも魅力的。ただ、夏の暑さには弱いので直射日光にを避け、鉢の下にブロックを置くなどして風通し良く育てると長持ちします。
インパチェンス:日陰の花の女王とも呼ばれています。一年草ですが初夏から秋まで長く鑑賞できるのでコスパも最強です。昔から愛されている一重咲きに加え、ゴージャスな八重咲きタイプも人気があります。花色も豊富なので、インパチェンスを数鉢育てるだけでも、華やかになると思います。水切れには弱いので毎日鉢の状態をチェックすることがポイントです。
日陰のベランダでおススメの花
ヤマアジサイ:アジサイよりもさらに日陰に強いと言われています。アジサイよりも花が小ぶりで清楚なイメージのヤマアジサイ。枝もアジサイよりも細くしなやかです。コンパクトに育てることも出来るので、しっとりと優しい雰囲気にしたい時におススメです。
スキミア:近年見直されているスキミア。日本が原産なんです。切り花やフラワーアレンジメントにも使われます。秋ごろから花穂が出来て越冬して3月に開花するので鑑賞期間が長いのが特徴です。赤花・白花があります。成長がゆっくりなので、大きく育つと困るベランダガーデンにはありがたいですよね。
シュウカイドウ:ベゴニアの仲間のシュウカイドウは、花も葉も可愛いハート型です。ベゴニアは春から秋まで長く咲きますが、シュウカイドウは秋だけ花が咲きます。
ピンク花、白花があり、とても育てやすい花です。葉の裏側が赤くなる、エキゾチックな品種もあるので、ミックスして植えると素敵です。
日陰のベランダでシェードガーデンを楽しむコツ:カラーリーフを楽しむ
日陰のベランダでもオシャレなシェードガーデンを楽しむコツとして、外せないのがカラーリーフの活用です。育てる花が限られることが多い日陰のベランダですが、そこを補ってくれるのがカラーリーフです。
葉の色だけでなく、葉の形も意識すると、奥行きのあるおしゃれなシェードガーデンを楽しむことが出来るので、ぜひ多用して欲しいと思います。前述してきた
日陰のベランダでもオシャレなシェードガーデンを楽しむために、おススメの木、花とともに植えるのもおススメです。
半日陰のベランダでおススメのカラーリーフ
ギボウシ:日陰のベランダでもおしゃれなシェードガーデンを楽しむために、メインにもサブにもなれるギボウシ。品種の多さから、集める楽しみもあります。一枚の葉が30センチ、株が1mになる大型種はベランダのシンボルにもなりますが、冬の間は葉がなくなることを考慮して種類を選ぶと良いと思います。葉の色は濃いグリーンから、黄色、斑入り、葉のサイズも大、中、小と様々です。
ヒューケラ:ギボウシ同様、葉の色のバリエーションが多いのが特徴で、育てやすさ、葉の美しさで近年人気の高いヒューケラ。ギボウシのカラーがグリーンのバリエーションとすると、ヒューケラはエンジ色のバリエーションが多いのが特徴です。濃いパープル、キャラメル色、ライムグリーンなどがあり、寄せ植えにも使えます。葉の形は丸みをおびて、フリルのように波打つ形が可愛いカラーリーフです。清楚な花が咲きます。
ラミウム:1年を通してシルバー色の葉が美しいカラーリーフです。初夏に白、紫の小さい花を咲かせるのも魅力的です。どうしても暗いイメージになりがちな日陰のベランダを明るくしてくれます。
日陰のベランダでおススメのカラーリーフ
ヘデラ:アイビーとも呼ばれるツタ植物です。常緑なので、冬になっても葉が落ちません。
排水溝を詰まらせたくないベランダガーデナーにとっては、嬉しい植物です。
また、ヘデラは葉の形や模様が色々あるので好みの子を選んでみてね。
茎が柔らかいので、アイアンなどに絡ませてグリーンを立体的に見せられるのも魅力。
大きなシンボルツリーを植えられない、初めて植物を育てるから育てるのが簡単な植物がいい。という方におススメ。
ハンギングバスケットなどに植えて、ゆらゆら揺れるのを楽しむのもいいですね。
ハラン:見た目がとっても地味なハラン。でも実は使える植物なんですよね。よくお弁当に使われる葉の形をした仕切り。あれはハランを模しています。
お皿とお料理の間に一枚挟んだり、小さく切って料理に添えたり、生け花、アレンジに活用したり、観賞しつつ日常生活に役に立てる一石二鳥の植物です。
通常は緑一色で地味なハランですが、先端にクリーム色のぼかしが入る「旭」葉脈に沿って白い斑が入る「縞ハラン」緑の葉に小さい水玉模様が入る「天の川」など、いつまでも眺めていられる美しさです。
ツワブキ:鑑賞しながらも日陰のベランダ菜園にもおススメのツワブキ。3月から4月の新芽の頃が柔らかくて食べやすいですよ!
ツワブキはツヤツヤした葉で育てやすいので根強い人気がある植物です。地味に見えますが冬に咲く花は可愛らしく、花も葉も(さらに食べられる!)楽しめる、日陰のスーパースターのような存在です。さらに、品種もとても多く、花変わり、斑入り、葉変わりなどマニアにはたまらないのがツワブキです。
日陰のベランダでシェードガーデンを楽しむコツ:植物以外でセンスアップ
これまでは、日陰のシェードガーデンを楽しむために、おススメの植物をご提案してきました。
ここでは発想の転換をして植物以外で日陰のベランダをおしゃれにするコツをお伝えします。
テーマを決めるとおシャレなシェードガーデンに近づく
ベランダをどのような雰囲気にするか、テーマを決めるとおしゃれになります。
和風、カントリー風、ナチュラル、欧風、ヨーロッパ風・・・・
ご自身のテーマに沿ったイメージで鉢や小物を選びましょう。
鉢の雰囲気を統一するだけで、ぐっとまとまりのあるシェードガーデンを作ることが出来ます。
また、日陰のベランダはどうしても暗いイメージになりがちです。
そこで、テーマに合わせた小物を置くことで、ぐっと雰囲気や奥行きがでます。
例えば、大き目な石を数個、コロコロと置く。ガーデン雑貨を植物の間に飾る。
ガーデンライトを使って陰影を作るのも素敵です。
育てる植物をぐっと減らして、雑貨やガーデン小物を楽しむのもありですよね。
日陰のベランダでシェードガーデンを楽しむコツ:まとめ
日陰のベランダでもシェードガーデンを楽しむコツをお伝えしてきましたが、いかがでしたか?
日陰のベランダでも育てやすい、管理しやすい植物をピックアップしてお伝えしました。
日陰のベランダでシェードガーデンを楽しむコツはベランダの日照時間を知るのがポイント
日陰のベランダでシェードガーデンを楽しむコツは日陰で育つ植物を選ぶのがポイント
日陰のベランダでシェードガーデンを楽しむコツは半日陰で育つ植物を選ぶのがポイント
日陰のベランダでシェードガーデンを楽しむコツは植物以外のガーデン雑貨を上手に活用するのがポイント
日陰のベランダでもそれぞれのベランダの特性に合わせて、植物を選び「楽しもう!」とすることで、シェードガーデンの可能性は無限に秘めていると思いますの。ぜひ日当たり良すぎるベランダにはない、魅力的なシェードガーデンを作り上げてみてくださいね。
コメント